ジャンゴの逸話は星の如くたくさんあるのだけれど、その中の1つ。
ジャンゴの服装は粋なズートスーツを着ているか浮浪者みたいな格好のどちらかというなんとまぁ極端な感じだった。
ある日、大きなコンサートに出演した後、ものすごく高級なカッコイイ自動車を見つけ、興奮のあまり車は持っていたがもう1台買おうと思い立った。
だが、その日はジャンゴは浮浪者の日だった。
店員はバカにした表情で彼を見て、べらぼうな金額をジャンゴに告げた。
するとジャンゴは撒き散らすように札束を広げ、その車に乗って去って行った。
そしてそのまま田舎に旅行に出かけ、たくさんの友達に惜しみなくオゴってやったが、なんと・・最後は車を木にぶつけメチャクチャに壊してしまった。
・・・そして全財産を失ったジャンゴは帰りの列車のチケット代をパリのオフィスに電報を打ってせがまなければならなかった。
なんと豪快でなんと後先考えない人なんだと思ったけど、それがロマの人達の1つのアイデンティティなのかと思った。
現代社会では神のように崇められている「お金」はジャンゴにとっては意味をなさない。それは、ロマの生活は国境を超え様々に紙幣も変わるし、天災などで無くなる可能性も非常に高い。
それだったら、馬にしたり、どこででも価値はそう変わらない金塊にして持ち歩いていた彼ら。
従来のロマの生活が身についているジャンゴにとって、お金を重要視しないことは、至極、普通のことであったのですね。
それよりも、仲間と遊んでいたり、音楽を楽しむことが大切。
ジャンゴはなんて破天荒なんだと思ったけど、
人それぞれの価値観は違う、ということを改めて認識すると同時に自分の中の優先順位をハッキリさせなくちゃいけない・・・とか思ったりなんかして。
ウッカリン